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「浦島太郎」テーマに未就学児OKな公演 19日・いわきアリオスで多彩な音楽物語
0~6歳の未就学児とその保護者に門戸を広げ、大人も楽しめる催し「えほんでクラシック♪おひるまの夢 0歳からたのしめる、おんがくのたまてばこ」が19日午前11時から、いわき芸術文化交流館「アリオス」セキショウ中劇場で開かれる。
クラシックと邦楽、バンドの生演奏で、おとぎばなしの浦島太郎をモチーフに楽しい音楽の世界を繰り広げる。いわきアリオス初の試みで、普段は未就学児不可のプログラムが多い中で、初めての音楽鑑賞体験を提供する狙いで企画した。
出演は▽野木青依(マリンバ)▽北澤華蓮(ヴァイオリン)▽中村みちる(ピアノ)▽鈴木泉芳(箏)▽笠原道樹(尺八)▽菊凪ゆうこ(三味線)▽MC.sirafu(スティールパン、トランペットほか)▽オータコージ(ドラム)▽浅野達彦(ギター)――の各氏で、それぞれ一線で活躍している。
公演はいわきアリオスの依頼で、野木さんが練り上げた。野木さんは仙台市出身で、国内外での実績を有する傍ら、街なかや銭湯など劇場を飛び出してマリンバを演奏する意欲的な取り組みを通じ、新たな音楽との出会いをもたらしている。今回のメンバーは野木さんの縁で集まった。
本番ではサン=サーンスの「死の舞踏」に始まり、いわきゆかりの八橋検校が手がけた「六段の調」のほか、書き下ろしのバンド作品も登場し、聴く人を楽しませる仕掛けが施されている。
野木さんは子ども向けの公演に対し、強い思いを抱いていると話す。16歳の時に東日本大震災に遭い、黎明期のSNSを通じ、原発事故を巡る被災地の女性を傷つける心無いデマに胸を痛めたといい、「あれから14年が経過し、この地にこんなにも元気な子どもたちがいることを知ってほしい」と呼びかける。
またいわき地方に浦島太郎にまつわる伝承が多いことを知り、郷土史研究家・江尻浩二郎さんの協力で、地元に残る龍燈伝説を訪ね歩き、公演の内容を深めたという。もちろん肩ひじ張らずに来場してほしいとも重ね、「音楽が大好きな大人の方も一緒に来てください」と笑顔を見せた。
全席自由。大学生以上2千円、中高生1500円、小学生1千円、withチケット(介助者用チケット)500円。未就学児は無料(要事前申込)。アリオスチケットセンター=電話(22)5800=で取り扱い中。当日券あり。
(写真:公演に向けての思いを語る野木さん=9月30日)