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愛知県立芸大名誉教授・ピアニスト永野美佐子さん 母校の平一中にピアノ寄贈

 いまのいわき市平育ちで、愛知県立芸術大名誉教授の永野美佐子さん(80)が19日、母校・平一中にグランドピアノ1台を寄贈した。
 同校では音楽会(合唱祭)の最優秀クラスに「永野美佐子賞」を与えており、後輩たちの音楽に対する熱意を踏まえ、ピアノを贈ることを決めた。同日には体育館でお披露目の機会が設けられ、永野さんがベートーヴェンの「ピアノソナタ第30番」「エリーゼのために」を奏でた。
 永野さんは5歳でピアノと出会い、いわき地方を代表する音楽家の一人、故・若松紀志子さんに師事した。平一中1年の時には全東北ピアノコンクールで文部大臣賞に輝き、当時のいわき民報ではその快挙を「天才少女」と伝えている。本格的にピアノの道を志し、東京芸術大附属高、同大と進学。ドイツにも留学し、現地で腕を磨いた。
 帰国後は後進の育成に取り組む傍ら、愛知を中心に、東京や横浜、仙台、ふるさと・いわきなどで精力的に公演を重ねてきた。19日は同級生とともに、久しぶりに母校に足を運んだ永野さん。約450人の生徒を前に、力強い演奏を繰り広げた。
 その上で「合唱に取り組むことは、もちろん音楽的な感性が高まるが、それ以上に歌詞を理解し、仲間を思いやる大事な機会となる。音楽を通じて、人間性を磨いてほしい」と呼びかけた。寄贈されたピアノは音楽会や卒業式で活用されるため、生徒からは「感謝の気持ちを忘れず、平一中としての誇りを胸に大切に使っていきたい」と謝意が示された。
 真っすぐなまなざしをする後輩たちと交流し、永野さんは「子どもたちの純粋な気持ちに心を打たれた。これからも音楽に親しみながら、みんな健やかに成長してほしい」と笑顔で語った。
 (写真:生徒たちを前に演奏を披露する永野さん)

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