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草野心平「最後の日記」初公開 小川の文学館で 貴重な遺品の数々も

 小川出身の詩人草野心平の直筆原稿やスケッチをはじめ、旅行鞄(かばん)、多種多様な落款(らっかん)印など、元秘書の灘波幸子氏が心平の死去後に保管していた未公開の遺品などを展示する「臨時収蔵品展」が、市立草野心平記念文学館で始まった。
 そのなかには「草野心平日記」(思潮社)への収録が見送られた未公開の日記帳を、心平の縁戚で生前、心平と交流のあった関内幸介さん(77)=明治団地=が発見し、解読を進めてきた「最後の日記」の一部も。
 一般への公開は初となり、関内さんは「本当に喜ばしいこと。これを機に遺品の散逸を防いだ難波氏の功績とともに、日記の解読が進むことを願う」と話した。
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 『最後の日記』は、「何も言はない。」の書き出しで始まり、「ありがとう」の言葉で締めくくられている『最後の詩』を含む、筆談記録の前に綴(つづ)られた日記帳だ。
 いわき民報で毎週土曜日に「新・雜學ゼミナール」を連載する関内幸介さんが、心平の最期を看取った後半生の伴侶山田久代氏、最後の日記に深くかかわった元秘書の灘波幸子氏の遺志を受け継ぐひとりとして長く調査研究を進め、このうち解読分を市立草野心平記念文学館に提供した。
 一時は心平の遺品が山田氏や草野家のもとに渡らず、難波氏が保管をしていたことに違和感を覚えたが、最後の日記を見つけ解読を進めるうちに、晩年の心平をとりまく環境などを理解し次第に胸のつかえも取れたという。
 「彼女(難波氏)が心平の遺品を管理したおかげでバラバラにならずにすんだ。『歴史の皮肉』かもしれないが、結果的に彼女の功績となった」と関内さん。今回初公開されているのは、「1985(昭和60)年12月11日から86年7月26日まで」と「86年7月27日から8月22日まで」の日記の一部。
 同館によると、今回展示した遺品はごく一部といい、今後も精査して順次公開していく予定という。臨時収蔵品展は来年1月12日まで。
 (写真:「最後の日記」を解説する学芸員)

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