新常磐交通は4月から、平日の夜間時間帯の路線バスとして、「小名浜→鹿島街道→いわき駅前」「いわき駅前→郷ケ丘→中央台」の運行を開始した。
背景には行政と民間事業者で構成する「いわき都市圏総合都市交通推進協議会」の委託を受け、1月から3月にかけて、夜間の基幹バス路線に対し、市民の移動ニーズ把握などを目的とした実証事業「常交おかえりバス」を設定したところ、多くの利用者があったためで、一部の路線について社会実装することが決まった。
新たな路線のうち、「小名浜→鹿島街道→いわき駅前」は館の腰(午後7時50分発)~イオンモール(同8時1分)~鹿島ショッピングセンター(同8時16分)~いわき駅前(同8時42分着)。
「いわき駅前→郷ケ丘→中央台」はいわき駅前(同9時15分発)~高専前(同9時23分)~中央台北中(同9時36分)~ラパークいわき(同9時59分着)。いずれも土日祝日は除く。
新常磐交通では、運転手不足に加え、自動車運送事業の働き方改革(ドライバーの時間外労働上限規制)に伴い、夜間の路線バスの時間を繰り上げていたが、利用者の意見を踏まえて設定に踏み切った。
常交おかえりバスは1月21日から3月7日までの毎日運行した後、好評だったため、同10~31日は平日に限って継続。市公共交通課によると、「小名浜→鹿島街道→いわき駅前」は延べ134人、「いわき駅前→郷ケ丘→中央台」は延べ649人、「中央台→鹿島街道→小名浜」は延べ26人の利用があった。
アンケートからは大半が10~50代で、部活動の後に勉強した帰りや、残業による利用が多く、懇親会後の需要も一定程度あったことが分かった。夜間時間帯の運行への感謝や、運行を続けてほしいとの声も多く寄せられた。
同社の担当者は「路線バスを取り巻く環境は厳しいが、引き続き市民の皆さんの生活を支えていきたい」と話している。
また4月からはいわき市地域公共交通利便増進実施計画に基づき、「平~いわきニュータウン」「平~小名浜」「平~内郷~湯本」「小名浜~泉」の各路線で、等間隔の分かりやすいダイヤとしたほか、商業施設や医療機関への経由を正式に始めた。
同計画は基幹バス路線の利便性促進を狙いとしており、国からの補助が受けられる。昨年度に実証運行し、今年2月に国土交通大臣の認定を受けた。全国93カ所目で、県内では会津地方に続いて2例目。
一連の内容について、同課が15日に発表した。
(資料写真:1月から3月にかけて行った「常交おかえりバス」)
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新常磐交通 4月からニーズ踏まえ夜間のバス設定 小名浜→平→中央台で2本
