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いわき市の観光入込客数 24年は706万人 ハワイアンズ、小名浜好調
市は15日、いわき市の2024(令和6)年の観光入込客数が706万8737人となり、前年より2・91%増(19万9722人増)だったと明らかにした。
新型コロナウイルスの感染拡大前の19年以来、5年ぶりに700万人台を回復した。市では28年に850万人まで伸長することを目指しており、さらなる観光振興を図っていく。
市観光振興課によると、主な増加施設として、スパリゾートハワイアンズが139万8308人(前年比10・49%、13万2788人増)、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」が62万6858人(同3・64%、2万2007人増)、市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」が140万4400人(同2・12%、2万9100人増)となっている。
一方で、いわき市の観光を支える夏季の海水浴場(昨年7月20日~8月18日)は、勿来、薄磯、四倉、久之浜・波立の4カ所で開設されたが、多数の集客が見込める8月の週末に台風が連続して接近し、悪天候と高波が影響したことから、3万5646人(同55・7%、2万8301人減)にとどまった。
コロナ禍が明け、海水浴客が戻ることが期待されているが、レジャーの多様化や気候の変化によって客足が鈍化しているという。(※久之浜・波立は統計の要件に満たないため、観光入込客数全体の数値には含まれない)
全体としてはコロナ禍を経て高まった観光需要をとらえようと、個人客を対象とした周遊促進・宿泊割引施策を実施。インターネットを活用したデジタルマーケティングにも積極的に取り組み、3年連続で観光入込客数は前年を上回った。
今年は4月から大型観光キャンペーン「ふくしまプレデスティネーションキャンペーン」が始まったほか、夏には小名浜道路の開通、9月には道の駅に指定されたら・ら・ミュウのリニューアルオープンが控えている。
また復興サイクリングロード「いわき七浜海道」を含め、いわき市から相馬郡新地町までの浜通りの海側ルートについて、国による「ナショナルサイクルルート」指定に向けた動きも進んでおり、さらなる弾みが見込まれている。
なお東日本大震災・東京電力福島第一原発事故前の2010(平成22)年には、1076万6595人の観光入込客数を記録した。
(グラフ:いわき市の観光入込客数の推移)