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折り紙作家・近山由美子さん 17日まで勿来文歴で作品展 東京五輪に採用の実績
「鶴は人生のパートナー。鶴に救われ、導かれて生きてきました」と語るのは、いわき市在住の折り紙作家・近山由美子さん(74)。伝統技法をアレンジしたオリジナルの「鶴の華」の折り方を広める近山さんの作品展が17日まで、勿来関文学歴史館市民ギャラリーで開かれている。
近山さんが1枚の折り紙から生み出す複数の鶴。これらを組み合わせることで、さまざまな作品が形作られてゆく。中には、東京オリンピック開催時のキャンペーンポスターに採用された作品もある。インバウンドの盛り上がりで海外からの注目度も高く、「いわきには伝統的な『遠野和紙』もある。体験型のメニューを考案すれば観光誘致にもつながる」と期待を込める。
近山さんは1951(昭和26)年、宮崎県西都市生まれ。結婚後、義両親の介護のため、1989(平成元)年に夫の実家いわき市に移住した。
30歳の時に芸術的な折り紙作品に感銘を受け、毎月東京の教室に通い、折り紙を研究した。「すっかり夢中になって、そこから今日にいたるまで45年間、折らない日は1日もなかった」と振り返る。
現在は教える立場となり、東京都の「お茶の水おりがみ会館」や市内で開かれる近山さんの折り紙教室に、遠方から足を運ぶ人もいる。
作品のベースは、1枚の折り紙から一度に二羽の鶴を折る妹背山(いもせやま)という伝統的な折り方。ここから多くのバリエーションを生み出し、何羽もの鶴が大輪の花を咲かせる大作の数々「鶴の華」のシリーズを生み出している。昨年は昭和100年を記念した100羽の鶴「百鶴(ひゃっかく)」を完成させた。山のように重なり、上から見ると「日の丸」が現れる独創的な作品だ。
近山さんの「鶴の華」はこれまで2020東京オリンピックのPRキャンペーンでポスターに採用されたほか、県内のトランペット奏者を通じて海外へ渡り、ドイツ大使館に収められたことも。
最近は「インバウンド効果で日本の伝統文化への関心が高まり、国内外問わず、折り紙に関心を持つ人が増えているのでは」と感じている。昨年は小名浜公民館が開催した近山さんの市民講座が定員を大きく上回る人気だった。
(写真:昭和100年を記念した新作「百鶴」を持つ近山さん)