いわき市平沼ノ内地区で400年以上前の江戸時代から続いている奇祭「沼ノ内の水祝儀」が12日、同地区の愛宕神社(地蔵尊)で開かれた。新婚のお婿(むこ)さんに冷水を浴びせて地区の無病息災や無火災、豊漁豊作を願う新年の伝統行事で、市の無形民俗文化財に指定されている。
120人ほどの住民らに見守られながら冷水の『洗礼』を浴びたのは、四家哲人(30)、四家直希(30)、小野成聖(29)さんら会社員4人。
このうち哲人さんは前日の11日に入籍したばかり。沼ノ内に近い豊間の出身で、水祝儀はこれまで見る側で、「寒そう、やりたくないなぁ」と思っていたが、いざ自分の番となったら「もうやるしかない」と覚悟を決めた。お嫁さんからは「風邪をひかないでね」と励まされたという。
市内では前夜に雪がちらつくほどで、この日は晴れたものの朝から身を切るような寒さとなった。神社の中で地区の役員とともに魔除けとなるダイコンを彫った印を額に押すなどの神事を執り行った後、4人は藁ぞうりに浴衣1枚の姿で、笹竹としめ縄に囲まれた海岸の砂を盛った土俵に立った。
そして「桶取り」といわれる青年会の4人が四方から足、腰、頭の順に3度にわたって冷水を浴びせた。
桶取りたちは一気に行わず、桶を担いでわざとよろけながら見物の住民や取材に訪れたテレビのレポーターらに冷水を浴びせる『お約束』のハプニングを連発。最初に足首へ水をかけてから頭にかけるまで30分を要した。
また、水をかけられるのを承知で最初から雨合羽を着こんで見物に現れる子どもたちのグループもいて、頭から水をかけられると大喜びではしゃいでいた。清めの水を浴びた人たちは「寒くて仕方ないけど、これで1年を元気に過ごせそうです」と笑顔で足早に会場を後にした。
(写真:冷水の洗礼を受けた4人の新婚男性)
ニュース
江戸時代から続く奇祭「沼ノ内の水祝儀」 新婚男性に冷水浴びせて無病息災など願う






