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震災15年 小川・草野心平記念文学館で企画展 防災に対する館長の思い反映
東日本大震災や阪神・淡路大震災などをテーマに出版された、教訓や震災記録を伝えるための様々な防災伝承絵本と、東日本大震災の津波により児童74人と教員10人が命を落とした宮城県石巻市の震災遺構「同市立大川小」の悲劇を題材とした小さな企画展が29日まで、市立草野心平記念文学館で開催されている。
観覧料無料。岩手、宮城、福島各県の学校防災マニュアルを取り上げるなど単なる紹介にとどまらず、子どもの命を預かる教職員、そして保護者へのメッセージも込められており、同館では震災の経験や教訓を『自分事』として向き合い、未来の子どもたちに語り継ぐきっかけにしてほしい、と願う。
取り上げられている絵本は、大川小でわが子を亡くした8人の母親が、避難を目指した丘に『前を向いて生きていく』ことを約束するため、たくさんのヒマワリを植える物語「ひまわりのおか」(岩崎書店)をはじめ、岩手県陸前高田市の『奇跡の一本松』など。
また本紙でも過去に幾度も取り上げ、震災直後にその種を宮城県・仙台市立長町小に贈ったことでも話題となった(2011〈平成23〉年5月27日付1面)、阪神・淡路大震災由来の「はるかのひまわり」を題材にした絵本ほか35冊ほど。
いずれも災害への教訓とともに被災後を生きる人たちに勇気や希望を与えるような、メッセージ性の高い内容となっている。
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企画展に当たり、東日本台風を企画展の題材にするなど、防災に強い関心を抱いている柳内博明館長(69)が直接、大川小に足を運んだ。『事故』の概要や同校の地理的条件、震災時の浸水域から、事故検証委員会の提言、市教委の指導、学校の危機管理マニュアルの不備などを指摘した仙台高裁の判決までを検証した。
また日本の災害史にも触れ、東日本大震災に似た規模の災害と推測されている「貞観地震」(869〈貞観11〉年)について、最大の被災地はいわきであったことを示す平安時代の歴史書「日本三代実録」の一文などを掲示し、津波防災への意識高揚を促している。
開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。休館日は毎週月曜日。
(写真:防災伝承絵本を紹介する会場)