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福島臨海鉄道の旅客化議論 いわき駅への直通困難か 次年度も検討継続へ
小名浜港を整備候補地とするサッカー・J2いわきFCの新スタジアムを巡り、JR常磐線の泉駅と同港を結ぶ「福島臨海鉄道」の旅客化が議論されているが、いわき駅への直通は技術的にも運行面でも課題が多いため、事実上困難な見通しとなった。
泉駅の設備改修に加え、ダイヤの調整をはじめ複数の鉄道事業者間での負担が大きい点が理由という。スタジアム整備に関連し、市が小名浜港周辺エリアの価値向上をテーマに立ち上げた「防災・交通対策協議会」の第4回会議が23日、道の駅いわき・ら・ら・ミュウで開かれ、その席上で明らかにされた。
スタジアム整備にあたっては、小名浜港アクアマリンパークの駐車場3715台のうち、868台分が減少する見込みで、貨物専用の福島臨海鉄道の活用を模索している。旅客化の想定では泉駅と小名浜港を12分で結ぶ。
今回の協議会では、泉駅―小名浜港間を旅客化する場合、定期運行では1日当たり5千~6千人の利用がないと収益性を保てないと指摘。乗降人員ベースでは特急ひたちが停車する泉駅(4454人)や湯本駅(3428人)より多い。
一方で臨時運行とすると、年20日の試合開催を念頭に1日当たり3万人の利用で収支が均衡すると算出。いわき駅の乗降人員(1万234人)を大きく上回ることから、イベント実施主体の負担についても提示された。
このため相応の輸送需要や運賃以外の収益確保・支援が求められ、行政のみならず、住民や立地企業も積極的に関与する必要性が説かれた。次年度も継続して議論を深めていく。
防災・交通対策協議会の上林功会長(日本女子体育大教授)は「サッカーの試合のみならず、小名浜全体で海にまつわるイベントに、福島臨海鉄道を活用するのも手ではないか。現状は交通がぜい弱なために企画できない部分もあろうが、旅客化を契機に小名浜全体の事業性を高めることが考えられる」と呼びかけた。
また斉藤充弘副会長(福島高専副校長・都市システム工学科教授)からは、現時点で常磐線との直通の可能性を排除すべきではないとの意向が伝えられた。
(写真:協議会に出席する専門家や地元関係者ら)