年齢が知れそうなものだが、昭和40年代に起きた東大安田講堂、大久保清連続殺人、三島由紀夫自決、浅間山荘などの大事件が記憶に刷り込まれている▼中でも43年12月9日、東京・府中市で発生した「三億円強奪事件」が強く印象に残る。この言葉を聞くだけで、犯人のモンタージュ写真を思い出す。発売中の年末ジャンボ宝くじ1等前後賞金と同額だが、現在の貨幣価値では約10億円という桁違いの金額▼1度に多額の現金を奪う事件がある半面、振り込め詐欺犯罪が後を絶たない。最近でも、いわき市内の3署が注意を呼びかけたにもかかわらず、今月初めに南署管内で無職女性が息子を名乗る男から100万円をだまし取られた▼「携帯電話が壊れて新しい番号になった」「風邪で声が変わった」などの常套手段で家族を信じ込ませ会社の金を流用した、女性問題を起こしたと心配事を口実に現金を奪う。怪しい電話には、ひと呼吸置いて対処すべきだ。