待望のカツオが21日早朝、小名浜魚市場に初水揚げされた。昨年は、6月21日に水揚げしようとしたものの、買い手がつかないなどの事情で見送られた。結局初水揚げは8月29日で、少し寂しかった▼今回初水揚げされたカツオは、地元の寿和丸船団が東京・八丈島の東沖約110㌔地点で漁獲した約6㌧。東京電力福島第一原子力事故の影響で、簡易型の放射能分析装置、精度の高いゲルマニウム半導体検出器を使って、放射性物質を検査し、流通させた。検査では検出限界値未満だった▼先日、「小名浜港産」カツオで作ったたたきをいただいた。東日本大震災前に行われていたカツオ祭りで購入して食べた味と同じで、非常に美味だった。旬の味に懐かしさも感じた▼原発事故の影響で現在、福島県沖での沿岸漁業の操業は行われていない。捕れた魚から、放射性物質が検出されなくなり、福島県の漁業が再開して、近海の魚介類が食卓に並ぶのはいつになるのだろう。