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片隅抄

2012.10.12

昭和40年代、小学校で出される給食は自校の調理室で作られていた。少し上の世代が懐かしむ脱脂粉乳は知らないが、おいしく食べるというより、友だちと騒ぎながら昼時間をすごしたものだ▼今でも思い出すのが、味も素っ気もないコッペパン。銀紙に包まれたマーガリンが添えられたものの、完食したことはない。現在、いわき市内の小学校で給食調理室があるのは桶売、川部の2校。その川部小で先日、「スーパー給食」が実施された▼各ジャンルの料理人で組織する「超人シェフ倶楽部」が協力したもので同倶楽部会長の和食シェフが腕を振るった。提供メニューは呉汁、ひじき混ぜご飯、鶏肉の変わり揚げなど、野菜を中心にしたシンプルな4品▼取材で見た児童は、楽しそうに膳を囲みいつもと違った給食を味わっていた。本来なら地産地消もテーマの1つだったが、原発事故の影響が地元産食材の使用にも影を落としていた。これだけが残念だった。

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