高齢者が集まる会合に出席した時のこと。自動車運転の話になり、年々運動能力の衰えに気付かされると言っていた▼ここ数年、スポーツに親しむ高齢者が増え、見た目も若く、元気なお年寄りが目立つようになった。しかし、若いといっても加齢による体の衰えはいかんともしがたい。それを裏付けるように交通事故の実態をみると、老化が原因で高齢者が加・被害者になるケースが年々増えてきている▼火災も同様で、全国で発生する住宅火災の死者の6割強が65歳以上の高齢者。そのほとんどが素早い退避行動が取れずに、逃げ遅れが原因となっている。こんなことを書くと、高齢者から老いはだれにでもあるのだと、怒られそうだが▼もちろん、老いを非難しているのではない。ただ、増加傾向にある高齢者の事故に、何とか歯止めをかけなければとの思いからだ。そのためには高齢者自身も、自らの肉体的衰えを自覚し、その上での行動が大事になってくる。