参院選投開票日の21日、難攻不落の天下の名城といわれた鶴ケ城がついに陥落した。1日に数千発ともされる砲撃を受け、1カ月にも及ぶ籠城(ろうじょう)の末、藩主・容保がついに降伏の決断をした。もちろん大河ドラマでの話だ▼籠城する藩士や家族を前に容保が語る。「皆に塗炭の苦しみを与えた罪はわが一身にある。一命をもって皆の行く末を守る。何があっても生き延びよ。最後の君命だ。生きよ」―。ここまで見て、後ろ髪引かれる思いで開票所に向かった▼甲子園を目指す夏の大会。今年はいわきがメーン会場となった。汗と泥にまみれる高校球児たちの熱戦が感動を呼んでいる。残念ながらいわき勢のベスト8入りはならなかった。敗れたとはいえ、夏を戦った選手は貴重な経験だ▼参院選では121人の議員が誕生した。甲子園ならぬ国会がその舞台だ。声を枯らして訴えた公約を実現してほしい。選挙民に塗炭の苦しみを与えては絶対にならない。