先日の高校軟式野球県大会決勝で平工業が修明鮫川と対戦。延長15回でも決着がつかず大会規定によって翌日再試合を行い、9―0で勝って東北大会進出を決めた▼平工業の延長戦といえば、偉大な先輩たちを思い出す。昭和58年夏の全国高校軟式野球選手権大会。平工業は8月27日の準々決勝で群馬・高崎商業に延長15回3―2で勝ち、28日の長野・松商学園との準決勝は延長18回2―2で決着がつかず水入り。29日に19回から再開し、25回に決勝点を挙げて振り切った▼話はこれで終わらない。何と決勝はその日の午後に行われるという信じられない日程。それでも平工業は熊本・河浦との決勝でも延長10回まで戦い、1―2でサヨナラ負けしたのだった▼何というスタミナ、何という精神力。若者の限りない可能性を見せつけた選手たちの偉業は、後世に語り継がれるべきものだ。硬式のような派手さはないが、東北大会を勝ち抜いて、全国大会で勇姿を見せてほしい。
片隅抄