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片隅抄

2010.03.15

 新日本石油がベンチャー企業と組み、5年以内にバイオ燃料の量産に乗り出すという。その原料というのが何と、理科の教科書で覚えのあるあの「ミドリムシ」▼バイオ燃料のほとんどは現在、サトウキビやトウモロコシなどで作られているが、そもそも食用作物であるため課題が多い。そこで次世代バイオ燃料の原料として注目され、研究が盛んなのが「藻類」だ▼植物は光と水と二酸化炭素で光合成をして成長するが、藻の多くはその過程で脂肪を大量に作りだす。その油を代替燃料として利用しようというのだ▼ミドリムシは植物と動物的性質を持つ珍しい単細胞生物。鞭毛運動で動き回り、高い二酸化炭素吸収率でより効率的な光合成ができるうえに、ビタミンやミネラル、アミノ酸など優れた栄養価から、食品としても利用が始まっている。「人類の食糧問題、環境問題、エネルギー問題の救世主となる」と期待されているのも、ミドリムシを知るほどうなずける。

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