先日、ある小学校の運動会に足を運んだ。昼食後に近接する中学校の吹奏楽部が賛助出演し、映画「スウィングガールズ」を思わせるはつらつとした演奏を聴かせてくれた▼初めて金管楽器を手にした生徒たちが練習の末、コンクールに出場し、堂々とジャズの名曲を披露する同映画。このビッグバンドのように明るく楽しい演奏もあれば、深淵から湧き上がるようなモダンジャズの世界もある▼専門誌『SwingJournal』(スイングジャーナル社)が来月発売の7月号をもって休刊する。部数低迷、広告出稿の落ち込みが原因という。63年の歴史を誇る同誌の終焉は残念だが、ここ最近の編集内容には旧態依然の感もした▼エスカイヤー、フィレンツェ、ジブラルタル、ミントンなど、かつて平の町には数軒のジャズ喫茶があった。開始時期は違うが、現在は1軒のみ。喫茶店での制服姿は見かけなくなったが、背伸びして店主と会話する若者がいてもいい。
片隅抄