最近のスポーツの主眼は、どうやら〝楽しむ〟ことにあるようだが、青少年に限っていえば、堅く古臭いかもしれないが〝人間形成〟の場でなければいけない▼県内外の高校生が大勢いわきに集結して、バスケットボールの交流試合が開かれた。会場となった高校の体育館を訪れた帰り、出入り口に置いた靴を履こうとしたら、入れ違いに来た1人の男子選手が、乱雑になった靴をきちんとそろえてから中に入っていった。ごく自然に、当たり前のように▼自分で履いてきた靴をそろえて脱ぐだけでなく、他人の靴までそろえるのはできそうでできることではない。粗野なイメージの男子高校生の意外な一面を見て、何だかうれしくなった▼最近の選手たちに話を聞くと「周囲の人に感謝したい」というコメントが少なくない。あいさつをきちんとする、他人の気持ちを理解する、健康を気遣う。スポーツから学ぶことはたくさんあり、それは日常生活の大切な基本でもある。