ある公務員OBから「昔は土曜の半ドンがうれしかった。毎週お気に入りのラーメン屋で昼飯をとるのが楽しみだった」と聞いた。「週休2日になり休みは増えたが、土曜ならではの午後が消えた」とも▼土曜が、平日とも休日とも違う特別な日でなくなって久しいが、人間にとっては、こうした土曜日的メリハリが大切ではないのか。一方で今、コンビニスイーツ人気のようなプチ贅沢がはやっているが、人々が求めているのは、そんなささやかな幸せなのだと思う▼ところで昨日、以前は10月10日が「体育の日」だったと思い出した。平成12年から「体育の日」は10月の第2月曜になったが、この日に限らず法改正以降、祝日が毎年変わり、どうも記念日感覚が薄れてしまった気がする▼実はこうした記念日感覚や土曜日的メリハリの代わりが、プチ贅沢かもしれないと感じている。不景気の中、こうした工夫で生活に変化と活力を与え日本人は生きている、と実感する。