一口に高校野球といっても、軟式野球があり、定時制・通信制高校の野球大会もある。甲子園の硬式野球に比べマスコミの注目度は低いが、彼らもまた高校球児なのである▼1日から高校軟式野球の南東北大会が始まる。かつては小名浜水産(現いわき海星)や磐城農も出場していたが、いわきでは平工が孤塁を守っている▼その平工、昭和58年の全国大会で準優勝を果たした。エースは高萩文孝さん。東北大会では午前中に延長12回を完投し、午後の決勝も完投した。全国大会で熱投はさらに過熱する。26日に1安打完封、27日の準々決勝は延長15回を完投した。28日の準決勝は延長18回で決着がつかず、29日に19回から再開して25回でようやく決着。このわずか1時間半後(翌日ではない!)に決勝戦が行われ、延長10回サヨナラ負けした▼4試合で58回3分の1、736球を1人で投げきった鉄腕がいたことを知ってほしい。軟式野球も、熱いドラマがつづられている。