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片隅抄

2012.05.14

「大々的なことができない分、人間関係を大切に長期サポートに努めたい」―震災以降、市内の被災地区を継続支援している東京のボランティア団体代表の話だ。月日がたつにつれ、置き去り感をぬぐえぬ被災者も少なくない中、胸に染みる言葉だ▼当団体は昨春には避難所で「レストラン」を展開、清潔なクロスをかけたテーブルをセッティング、陶磁の器にプロシェフの料理、銀色のナイフとフォークをそろえた。これが当時、プラ容器と割りばしさえ複数回使用していた人々の心を打った▼それらが相互信頼をはぐくみ、定期的に連絡を取る関係に。「本当に必要な支援とは」を、する側とされる側がともに考えながらの活動が続いている▼一方、こうした被災者の声に耳を傾けての活動は、団体の地元市民の協力にもつながっている。活動内容や被災地情報を公開することで、地元の被災地支援の輪が広がっているという。人を支えるのは人―再びその思いを強くした。

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