本紙でも紹介されていたが、若松孝二監督「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が15日まで上映されてると聞き、急ぎポレポレいわきに足を運んだ▼映画館を訪れるのは、あのヒット作「フラガール」以来、実に5年ぶりのこと。前回は1階の小さな窓口でチケットを買い求めたが、様変わりした明るいフロアで女性スタッフの案内に従い、4階ホールに向かった▼熱心な三島読者ではないが、昭和45年11月25日の雰囲気は何となく覚えている。晩秋の日が差すバルコニーで何かを絶叫する姿。そして想像を絶する最期。映画では、過激な左派思想と政治行動に国を憂う文豪と学生がギリギリの選択を迫られるシーンに胸が詰まった▼旧館当時は、せいぜい4作品程度が限度だったろうか。観賞したホールは50人前後の席数だったが、ミニシアターの趣があり全体での上映本数も多い。映画に限らず、寄席も開かれている。企画次第で用途はさらに広がるだろう。