あす長崎で67回目の「原爆の日」を迎える。平和公園で行われる平和祈念式典では、田上富久長崎市長が「核兵器廃絶」「原子力依存からの脱却」をアピールするはずだ▼世界で唯一、原子爆弾の被害を受けた広島と長崎から、戦後、毎年のように核兵器廃絶を訴える宣言が出されるが、残念ながら世界にはまだ数多くの核兵器が存在する。核兵器を保有する国は世界平和を強調しながら、一方で核兵器を持ち続けている。では、彼らはこの大量殺人兵器を世界のどこに使おうとしているのか▼通常兵器と違い核兵器は一瞬にしてすべての物をこの地上から抹殺するだけではなく、その後も放射線被害は続く。広島、長崎で被爆した人は今も原爆症と闘っている。核の平和利用といっても、今の人類の力で核をコントロールすることが難しいことは、今回の原発事故でも分かったはずだ▼被爆地と原発事故の被災地。ここから世界に向けて核兵器の廃絶を強く訴えていきたい。
片隅抄