運転免許証の更新手続きの際、警察署で講習用の教則本を渡された。一読し交通事故の意外な部分を知った▼まず、死亡事故の69%は事故歴の無いドライバーによるということ。また、人身事故の31%は、いわゆる優良ドライバーが起こしているということ。「ずっと安全運転を保ち無事故・無違反だから大丈夫」は、自身の思い込みに過ぎないことを、肝に銘じる必要がありそうだ▼さらに考えさせられたのは、人身事故の75%は、ちょっとした不注意によるもので、飲酒運転やスピード違反などの悪質・無謀運転によるものは10%程度ということだ。誰もが交通事故の危険と隣り合わせているのだ。これについては、いわき市の23年交通事故白書からも同様の状況が分かる▼同白書によれば、市内の運転免許所有者は21万9745人、人口の約66%だ。そして年間で2233件の事故があった。決して他人事ではない。便利な車を凶器にしないことが運転者の義務と心得たい。
片隅抄