今年の冬は例年になく、寒さの厳しい日が続いている。職場や家庭では、暖を取るための電化製品が連日、フル稼働していることだろう▼電気は日本の経済活動を支える上で、なくてはならないもの。ところが、福島原発の事故後、全国にある原発が稼働を停止。電力需給の不安から、電気の無駄遣いを抑制する動きが一段と加速した。節電の取り組みは企業、行政をはじめとして、広く家庭にも求められ、抄子の家も消費電力の大きい暖房機器の使用は極力控えている▼ただ、それにも限界がある。昨年の衆院選では各党が原発ゼロ、再稼働をマニフェストに盛り込み、激しい選挙戦を繰り広げた。結果、安全性が確認されれば再稼働やむなしの風潮が国民の中に広がりつつある▼原発事故で苦しむ県民の1人として、電力不足だからといって安易な原発再稼働には反対だ。原発依存度を減らすためにも、自然エネルギーの開発と国を挙げての節電意識の強化が望まれる。
片隅抄