スポーツの世界では今、指導のあり方が問題になっている。『巨人の星』に代表されるような鉄拳制裁が当たり前な根性論は、受け入れられなくなってきた▼練習中に水を飲むことを禁じた時代があったが、脱水症状は起きなかったのだろうか。〝無理へんにゲンコツ〟と言われた極端なまでの先輩と後輩の上下関係も薄らいでいるように見える…がどうだろう▼代わりに求められるのが科学的なフィットネスとデータを駆使した効果的な練習、そして高い意識での選手自身の自主性だ。指導者はアマチュアであれば教育者であり、選手に礼儀や道具を大切にする心などを植え付けることも求められている▼勝つために何をすべきかを今、あらためて考える時代になった。その基本は選手がその気になる雰囲気づくりだろう。どんな練習すればどれだけの成果が表れる、という具体的な方針が必要だ。厳しい指導も一方的ではなく、選手が理解し、納得したうえなら必要だと思う。