もう十数年前の事だが、高校の同級生が市議に初当選した時「政治家としての目標は?」と尋ねたことがある。返ってきた答えは「総理大臣」。大きく出たもんだと思ったが、目標を大きく持たない世代にあってなかなか気骨のある男だと思った▼「目標」を掲げるからには「目的」が無ければ意味が無い。かつて大学の先輩から高校野球の「目標」は甲子園出場。「目的」は人間形成だと聞かされたことがある。どちらかが欠けても高校球児としては失格だと言うこと。これはすべてにあてはまる▼その同級生は今、市長に就任した。この選挙での目標を達成したことになる。しかし、ここで重要なのは、目的。そこを明確に打ち出していかないと今後、暗雲をもたらすことになる。震災後の復旧復興道半ばの難しい市政運営に手腕が問われるところだ▼市長として掲げる目標、目的を明確にし、それが達成されることを望む。同級生として期待を込めた辛口のエールをあえて送る。