市漁業協同組合、小名浜機船底曳網漁業協同組合による、いわき沖での試験操業が18日未明に行われた。東日本大震災、東電福島第一原発事故以来、流通をベースにした漁は初めてで、久しぶりに漁業に明るいニュースとなった▼加工品を除くメヒカリ、スルメイカ、ニクモチ、ノドグロ、毛ガニの5魚種400㌔が市場に出荷された。検査ではもちろん放射性物質は検出されなかった▼担当外ではあるが、翌19日午前6時から、市中央卸売市場で行われた初せりを取材した。これまで何度かせりを取材しているが、今回ほど熱気あふれたせりは見たことがなかった。それだけに、漁業関係者の期待と〝地物〟が水揚げされた喜びの大きさを肌で感じた▼試験操業は始まったが、汚染水問題など本格操業に向けて厳しい状況は続く。〝安全性〟をいかに消費者に訴え、風評を払しょくしていくか。震災前のように、普通に地物の新鮮な魚が店頭に並ぶよう、期待したい。