野外での催し物は、とかく天気に左右される。当時の記憶はまったくないが、昭和39年10月の東京オリンピック前日も雨が降りしきっていたという。翌日は抜けるような秋空に恵まれ、世紀の祭典を盛り上げた▼去る10月28日、いわき勿来ライオンズクラブ(LC)の結成40周年式典が錦町の須賀地内で開かれた。会場は、先の大震災で津波被害を受けた海岸沿い。当初、屋内施設を借り盛大に挙行するものと考えた▼式典の中に「須賀海岸保安林へのクロマツ3000本の植林」をテーマにした記念事業があり、会場設定にも納得がいった。「奉仕」を旨にするLCだけに、見栄えなどにはこだわらなかったようだ▼当日は台風一過の好天。雨天時を想定しながら、実施を模索してきた関係者の熱意が報われた思いがした。式後、勿来地区13の幼稚園、保育園児が砂地にクロマツの苗木を手植えする姿を取材しながら「白砂青松」の再生を願い会場をあとにした。