コンビニエンスストアをよく利用するが、ひと昔と今では客層に大きな変化を感じる。中高年というか、高齢の固定客が増えていることは間違いない▼かつてコンビニといえばスーパーに比べ割高感があり、価格にあまりこだわらない若者層の利用が多いイメージだったが、今は違う。手ごろな価格のプライベートブランドなど品ぞろえも充実、文字通り申し分のない便利さだ。広さがほどほどなのも高齢者にはいいようだ▼先日は、ドアを押し開けるのに難儀していたおばあちゃんに、店員が駆け寄り中に招き入れ、付き添いながら一緒に商品を選ぶ光景を目にした。同様に老齢の利用者からは、買った物を店員が快く自宅に届けてくれたという話を聞いたこともある▼おそらくマニュアルにはないであろう機転の利いた心配りは、まるで昔の地域の商店のようで、心が温まる。今やまちに不可欠のコンビニのキーワードは「便利さ」プラス「優しさ」なのかもしれない。
片隅抄