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片隅抄

2013.12.09

この時期の街はにぎやかだ。クリスマスツリーと正月飾りが混在する光景も当たり前。既に、ケーキとおせちを予約したという読者もいるだろう▼思うに、ふた昔ほど前までは、重箱入りの既製のおせちは、これほど出回っていなかった。わが家では昆布巻きやお煮しめ、きんとん、松前漬などは自分で作って、かまぼこや伊達巻きと一緒に重詰めにしたものだった▼そして、それらを作る際には「黒豆は、いつまでもまめで達者での意味」とか「昆布は、よろこぶに通じる」といった会話が、毎年家族で交わされた。下ごしらえから少しずつ準備を進めることで、新年を迎える気持ちが日々高まっていったことを思い出す▼今も、おせち作りをする家庭はあるだろう。他方、共働きや少子高齢化が進む中、手掛からずで見栄えのよい既製のおせちも魅力がある。ならば、せめて何品かは手作りしてみてはいかがだろうか。それはきっと大切な「わが家の味」になると思うから。

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