例年、この時期から数カ月間、マラソンランナーが投稿するネットサイトの大会レポを読むのを日課としていた。目的は、いわきサンシャインマラソンの感想だ▼ピンポイントでの撮影取材では拾え切れないランナーの声からは毎回、多くの感動と教訓を得てきた。その大会が今年は、大雪で中止になった▼私たちは3年前の震災以来、大きな壁を前にした時、「あの(震災)時に比べれば」と士気を鼓舞することで困難を乗り越えてきたように思う。今回も、ランナー1万人以上、これにスタッフやボランティア、応援イベント参加者など大勢を擁した大会の中止は、簡単なことではなかったろう▼さらにまだ、すべてが終わったわけではない。全国の大会ファンに対しても、最終的に「さすがはいわき」と思っててもらえる納め方をする仕事が、地元市民には残っていると思うのである。そしてそれをしえた時、いわきはまた、ひと回り強く大きくなっているに違いない。
片隅抄