ヤンキースの田中投手が右ひじ靭帯損傷で故障者リストに入った。幸いなことに手術の必要までは無いものの長期間の離脱を余儀なくされた▼アメリカでは入団前から、田中投手の登板イニング数の多さに異議を唱える専門家も多く、今回の故障もそれによるものだという意見が大半だ▼今では日本のプロ野球も先発、中継ぎ、抑えと、役割分担が確立し、完投する投手が減った。しかし、野球の醍醐味として、完投、完封があるのも事実だ。日本ではこの考えが強いと言えるが、同時に選手生命を縮める事にもなりかねない。そして今、日本の高校野球界にまでこの問題が派生し、高野連も検討に入った。登板イニング数の制限等、さまざまな意見があるが、延長戦で塁上に走者を置いた状態で始める「タイブレーク方式」の導入が最有力だ▼今週末から、甲子園に向けた熱い戦いが再開する。勝つ事は大事だが、選手の健康を考慮する事も大事だ。いわき勢の活躍に期待したい。
片隅抄