きょう広島が69回目の「原爆の日」を迎えた。平和記念式典では、唯一の核被爆国として「核兵器廃絶」を全世界に向けてアピールした▼69年前、広島市の上空580㍍で大量殺りく兵器原爆が爆発。一瞬にして市民の生命、財産が奪い去られ広島は焦土と化した。しかし、悲劇はそれにとどまらず、生き残った人たちもその後に降った「黒い雨」によって、時間の経過とともに、苦しみ死んでいった。今なお原爆障害と闘っている人たちが、いることを忘れてはならない▼戦争を知らない世代にとって、当時を知るには体験者の生の声を聞くのが一番だが、被爆者の高齢化が進み、犠牲になった人たちの声を聞く機会が年々、難しい状況にある。これからは戦争を知る手段としては、文学や映像といった限られたものになっていかざるをえないが、戦争を語り継ぐ努力だけは怠ったってはならない▼戦争を知らない世代が増え続ける中、「平和教育」の重要性を感じる。
片隅抄