8月も後半に入り、暑さも一段落。夕暮れも早くなり少しずつ秋に近づいている▼ところで「天災は忘れた頃に来る」は、戦前の物理学者で随筆家でもあった寺田寅彦の言葉とされる。地震研究者としても著名で、大正12年の関東大震災も経験、そうした中で生まれた言葉であろう▼翻って平成の今、大災害を及ぼす地震や大雨等が頻繁に日本を襲い、全国の被災状況の報道を聞くと「天災は忘れる間もなくやってくる」感さえ抱いてしまうこともある。が、やはり私たちにとって一番大切なのは、歴史に学ぶことに相違ない▼また寺田の随筆には「人は何度同じ災害にあっても利口にならない」という意の文章もあるという。ここからは、長きにわたり過去を忘れず、防災対策を継続させることの難しさをも感じた。そこでまず、台風シーズンでもあり関東大震災にちなんだ防災の日(9月1日)を前にしたこの時期、身近な防災対策を、家庭で話し合ってみてはいかがだろう。