伝説のラグビーチームで〝北の鉄人〟の異名をとった新日鉄釜石の地元・岩手県釜石市が、2019年に日本で開催するラグビーW杯の会場誘致に名乗り出た▼製鉄と漁業とラグビーで栄えた三陸の小さな町は鉄鋼不況で景気が落ち込み、そこへ大震災による津波が追い打ちをかけた。誘致に当たっても、新スタジアム建設など多額の財政支出に伴う復興の遅れや被災者感情への配慮という大きな問題を伴う▼それでも釜石の復興をスポーツで後押しし、子どもたちが未来に夢と希望をもてるようにと、町は会場誘致に手を挙げたのだった。この運動がどういう結果になるのか気になるところだ▼いわき市も2020年東京五輪に向けたキャンプ地誘致に向けて推進本部を立ち上げている。2002年サッカーW杯のときの「中津江村」がいい例で、世界の一流アスリートを間近に見て交流することの波及効果は計り知れない。いわきの立地条件を最大限にPRしたいものだ。