「銀ブラ」と言う言葉は、誰でも一度は耳にしたことがあることだろう▼銀座をブラブラと歩くこと。誰もがそう思っているに違いない。ただ、この語源には、銀座八丁目にある老舗の喫茶店「パウリスタ」でブラジル産の珈琲を飲む事。銀座の「銀」と、ブラジルの「ブラ」をとって、「銀ブラ」とする説もある。現にそこの喫茶店では、「銀ブラ証明書」なるポイントカードまで発行している▼明治時代から続く歴史だけでなく、芥川龍之介や菊池寛と言った文豪を常連に持ち、ジョン・レノン夫妻までもが足しげく通った老舗の喫茶店が宣言しているだけに説得力十分だ▼分煙が当たり前の世の中になり、それに伴い「喫茶店」の文字も街から消えつつある。そういう時代だからと言ってしまえばそれまでだが、重い扉を開けると、室内を漂う紫煙とともに珈琲の香りが漂い、昔ながらのソファが並んでいる。妙に落ち着く昭和のディープな時間を楽しむのもいいものだ。