きょうは立春。暦の上では春でも、春の訪れはまだ先。厳しい寒さが続く中、火を使う暖房器具の取り扱いには十分な注意が必要だ▼気をつけなければならないのは、火の扱いだけではない。空気が乾燥しインフルエンザが猛威を振るう季節でもある。幼児や高齢者は重症化すると、命にもかかわるだけに軽視できない。また、受験生にとっては入試が集中する時期を迎えるだけに、手洗い、うがいはもとより、十分な栄養と睡眠にも気を配りたい▼ところで、景気回復という恩恵を授かっていない地方にとっては、依然として寒い日が続いている。先の衆院選で安倍首相は順調な経済復興を強調していたが、利益を得ているのは大企業だけで、中小企業との賃金格差は広がるばかり。ここでも春の訪れはまだ先のようだ▼インフルエンザの予防や火の用心は個人でもできるが、景気回復だけは政治がしっかりしないと成しえない。せめて回復の足音ぐらいは聞きたいものだ。
片隅抄