もうすぐ「3・11」がめぐってくる。もう4年、まだ4年と人それぞれ受け止め方は違うが時間は否応なく過ぎ去る。「春は名のみの…」ごとく震災発生時、無情とも思える風雪があったことを記憶する▼今年も8日から11日にかけて追悼の催しが各地で予定されている。震災犠牲者の無念、遺族の悲しみは計り知れない。せめて厳粛にその日を迎え、復興支援の名のもと間違ってもイベント感覚ではいけない▼先日、福島第一原発事故で通行規制されていた常磐道富岡IC―浪江IC間の供用が再開され、待望の全線開通をみた。陸路再生は喜ばしいが、豊かな水産資源を誇った本市の漁業は停滞したままだ▼試験操業は開始されてはいるが、汚染雨水流失に伴う情報公開の不備。これでは安全性をうたう「サブドレン計画」の受け入れは破談に等しい。漁民の皆さんが矢面に立ち、反対の意を唱えているようにみられるが、その後ろには32万市民がいるのだ。