今、4年前の今日のことを思い返している▼余震に怯えながら夜を明かし、テレビ画面に映る沿岸部の悲惨な光景に、心を痛めていた頃だった。そしてこの日の午後、福島第一原発1号機の水素爆発があった。その映像が公開され、誰もが「大変なことが起こった」と思ったに違いない▼ただ、東電、国の見解は、「心配ない」の一点張り。思えばこの時から我々は放射能と言う見えない恐怖にさらされることとなった。情報が錯綜したことも、混乱を招いたが、国に対しての信頼が失墜したことが一番だったように思うし、原発の安全神話が崩壊した瞬間だった▼4年たった今でも、第一原発では信じられないトラブル、不手際による、放射能漏れのニュースが耳に入ってくる。汚染物質の中間貯蔵施設や、最終処分場も決まっていない。廃炉には気の遠くなるような長い年月が必要だという。それまで、じっと耐えなくてはいけないのかと思うと、悔しさしか見えてこない。