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片隅抄

20105.12.11

きょう11日は、東日本大震災発生から4年9カ月目。突然の天地鳴動とともに沿岸部に押し寄せた大津波は多くの人命、家屋をのみこんだ▼曇り空の寒々しい3月。当日は市立中学校の卒業式でもあった。地震発生直後の出来事は今でもまざまざと思い出すが、東電福島第一原子力発電所の事故からの日々は記憶があいまいになっている▼やや落ち着きを取り戻したころ、いわき3署では11日に合わせ津波行方不明者の捜索が開始された。当時の担当エリアだった小浜、岩間海岸などでは南署が行う様子を取材した。夏の炎天下、冬の寒風吹きすさぶ中での同行はきつかったが、署員の方はそれ以上だったろう▼きのう県警の発表によると、先月平沼ノ内で発見された骨片をDNA鑑定した結果、行方不明の男性と分かった。身元は判明したが家族には辛い知らせだったろう。そういえば捜索時の署長訓示では「遺族」という言葉が1度もなかったことを思い出す。

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