人と会話する上で大切なのが、相手の話をまず聞くこと。うなずいているだけではだめだが、時に相槌を打ち少しずつこちらのペースに持っていく▼今春、新社会人としてさまざまな機会で他人と交わる若い人たちも多いだろう。その分、存在に首をかしげざる人物に出会うこともある。現実とはそういうもの。いちいち腹を立て、職を変えていけばきりがない▼伊集院静著『続・大人の流儀』に「職場の中に、得意先に、理不尽を絵に描いたような人がいることは不幸に見えて実は幸いなことだ」とある。無理無体を感じても、1つ1つ乗り越えていけば笑い話になると説く▼「落語とは人間の業の肯定である」。故立川談志師匠の有名な言葉。あくのある人も、付き合いづらい人もひっくるめて笑い飛ばすしかない。さて、あす市文化センターで恒例「いわき寄席」が開かれる。3師匠がそろい踏みし、磨き上げた話芸を披露する。気分転換には笑いが一番だ。
片隅抄