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片隅抄

2016.06.18

亡くなった忌野清志郎の「パパの歌」が好きだ。作詞したのはコピーライターの糸井重里で、子どもから見た父親の様子が描かれている▼家でのパパはトドみたいな体を横たえ、大好きなビールを飲んでは時にオナラをする。休日は10時半ごろになってようやく起き出す始末。ここまで清志郎はスローテンポで歌うが、曲の後半は一転リズミカルに変わる▼そこには平日の昼間、バリバリ仕事をしている、家族の前とは違う頼もしい父親のイメージが描かれる。子どもの目にパパは頼もしく光り輝いて見え、うれしそうに言う。「男だぜ」と▼昭和の漫画やドラマを代表する星一徹や寺内貫太郎のような頑固な父親は姿を消し、今は一見頼りなさそうなパパが主流になっている。でも、ここぞというときには……と思いたい。一家の大黒柱として頼りになる存在なのだ。明日は「父の日」。「母の日」と比べて地味だが、プレゼントをもらったパパはどんな表情をするのかな。

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