昨日、ある会合に出席した。旧知の人とテーブルで隣り合わせ、雑談にふけった。互いに格闘技、特にプロレス好きのため話題はもっぱらその話に終始した▼純然たるスポーツのように勝敗にこだわることなくキャラクター、実現するまでの試合背景等を語り合うのが楽しい。今もってうさんくさく見られるジャンルだが、マニアが称する「昭和プロレス」の魅力からは離れそうにもない▼やはり朴念仁はいるもので、内閣官房副長官が衆院議運委理事会の席上、野党対応に「田舎のプロレス」と発言、後日撤回した。茶番と言いたいのだろうが、この意味自体、まったく分からない▼田舎とは地方のことか、もちろんプロレス興行は全国を巡業する。本市初では昭和30年、平で「日本プロレス」が国際試合を開き、時のスーパースター力道山は常磐湯本町の古滝屋に宿泊した。立場をわきまえず粗略に引き合いに出す軽さ。よほど高尚な仕事に就いておられるようだ。
片隅抄