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片隅抄

2017.02.09

福島県産の桃の輸出量が増えているという。主な輸出先は東南アジア方面。放射能関連の徹底した検査を行い、その安全性を丁寧に説明してきた結果の表れで、関係者の努力が実った快挙と言ってもいいだろう▼多少時間はかかるが、空輸から船便に移行することによって価格面でも優位性を見いだすことができたという事も大きかったようだ。福島のおいしい桃が、国外でも高評価を得ていることに震災後の復興に一筋の光が差してきたようにも思える▼ただ、同じアジアでも、韓国、台湾など、県産の食品の輸入規制がかかったままの国もある。国内でさえ、いまだに福島産を嫌う傾向があり、価格も全国平均を下回っているという。高速道路でも県内のサービスエリアは利用しないという人さえいる▼震災後6年が経過しようとしている今でも、風評被害は消えていない現実がある。被害者である我々が、自分自身でそれらを払拭していかなくてはならないのが何か不合理だ。

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