先日、「三種の神器」の内容を問う問題が出されたクイズ番組を見た▼神話の三種の神器になぞらえて、戦後期に豊かさの象徴となった家電製品、冷蔵庫、白黒テレビ、洗濯機のことを言う。気がつけば皆そろっていた時代に生まれたので、あまりピンとは来ないが高度成長期の中、ちょっと無理すれば手が届く夢の家電製品として一世を風靡した言葉であろう▼時代とともにその内容も変わってきているという事だが、今では、スマホや薄型テレビ、デジタルカメラにPC等、とても三つに絞るのは困難な世の中になっている。私的に一つ挙げるとすれば、「CD」だろう。針の代わりにレーザーで読み取り、しかも高音質。今までの概念を根本的に覆したものだった。全てのデジタルオーディオの原点と言ってもいい▼日本の高度成長を支えたものは、自動車だと言われるが、家電も間違いなくあてはまる。秘術は、デジタルでも、人はアナログ。その良さを残してほしいものだ。
片隅抄