全国で、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど、高齢ドライバーによる自動車事故が跡を絶たない▼高齢ドライバーが子どもたちをはねたといった事故を聞くたびに、失礼だが体の衰えを自覚し、なぜ車の運転をやめないのかと思ってしまう。警察庁でも事故を防ぐため、高齢ドライバーに対し運転免許の自主返納を呼び掛けているが…。そこにはさまざまな問題があって、公共交通が発達していない地方の高齢者とって、買い物などに使う自家用車は大事な生活の足になっているのだ▼地方では、事故を起こす懸念を抱きながらも、車に頼らなければ生活ができない高齢者が少なくないのが現実。自治体によっては町場へバスを走らせたり、タクシー券を配るなどして免許返納を促しているところもあるが。ただ、限られた予算でやるだけに継続は難しく、国としても何らかの補助が必要だろう▼免許返納に応じられない事情も分かる。慎重な運転をお願いするしかない。