過去、奈良県には何度か足を延ばし、歴史にふれたことがある。修学旅行とは違った行動が取れ、好き勝手にあちこちめぐってみたものだ▼心得もないが、歌人会津八一の詠む世界に憧憬し、大和路を散策。東大寺、聖林寺、室生寺など名だたる寺院を訪れた。信仰心は薄いが、古美術には多少興味があったため実行に移したのだが、今となってはいい思い出だ▼その一つに明日香村での「石舞台古墳」も印象に残る。数十㌧におよぶ巨石を誰が一体、何の目的でかの地に運び、後世に伝えたのだろうと興味は尽きなかった。日本人が好む古代ロマンである▼さて先日、小名浜林城の「塚前古墳」に関する調査結果が発表された。福島大の行政政策学類考古学研究所によると全長最大120㍍の前方後円墳であり、古墳時代後期としては東北一の大きさという。ホットな話題に合わせ、市考古資料館では塚前古墳ミニ企画展が31日まで開催中。出土遺物が展示されている。