時期的には今頃だが以前、東京・神田神保町の名物行事「古本まつり」に足を運んだことがある。道路いっぱいに並べられた書物を前に目当ての本を探す気力もうせ、あまり欲しくもない写真集を1冊だけ購入したものだ▼神保町に並ぶ古書店は別として、市内は中古本チェーンの店舗が目立つ。在庫内容は手軽なものが多いが、便利ではある。かつてある古書店に入った際、商品整理中の店内で好みの作家本を見つけた▼シリーズ化され、1冊100円程度で流通していた気安さから店主に「とっといてください」と声をかけた。これが失敗。足元を見られたのだろう。後日訪れると10倍の値が付いていた▼その逆にマニア間で高額でやり取りされる本を安値で購入したこともある。さて12日、平の坂本紙店前で「第2回一箱古本市」が開かれる。20店以上の個人、業者が1箱分の書物を提供する。東京・下町の催しを参考にしたという。用意される中身は当日のお楽しみ。