もう10年以上前になるが、大阪の堺市に行ったことがある。大阪は初めての滞在で、文化の違いなど戸惑うことも多かったが、一番驚いたのは暑さだった▼もっとも8月の真夏だったこともあったが、午前6時の段階で、経験したことのない暑さ。いわきでいえば午後の一番気温が上がる頃の暑さのように感じたのを覚えている。いわきの過ごしやすさを実感した瞬間だった▼今年は、例年にない猛暑が全国各地を襲っている。過ごしやすいとされるいわきでさえ、町中では猛暑日が続いている。それは「猛暑」を超える、「危険な暑さ」という表現が目につくようになったことでもわかる。西日本豪雨の被災地では、復旧活動を妨げる深刻な事態にまでになっている▼先の豪雨や地震もそうだが、この暑さも天災なのかもしれない。ただ、その一言で片付けられる問題でもない。乱開発による自然破壊、文明社会と引き換えに地球を痛め続けた結果だということを認識すべきだ。